政治 ・経済思想研究会を立ち上げました

(政治経済分野 山中優教授より)

このたび、現代日本学会の研究部会の一環として、「政治・経済思想研究会」を立ち上げました。1年生の学生の皆さんの中から「ぜひ!」という熱い要望が出されたのに応えたものです。

ツそこで、まず手始めに、議論の題材とするために、次の本を使って研究会を進めていくこ とにしました。

ツマイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしようーいまを生き延びるための哲学』(鬼澤忍訳、早川書房、2010年)

サンデル本

サンデル本

ツそうです、この本は、あのNHKテレビで平成22年に放映された「ハーバード白熱教室」で有名なサンデル教授のベストセラーです!

ツこの本には、私たちの正義観が問われる事例がたくさん載っています。たとえば、皆さんなら、次のような場合、どう考えますか?

ツ《船が嵐で遭難してしまい、救命ボートに乗った乗組員が4人だけ助かった。しかし、水も食料も尽きてしまい、4人全員が生き残れそうにない。そういう場合に、1人を犠牲にして他の3人の命を助けることは、正しいことか?》

ツ実は、これは単なる架空の話ではありません。1884年の夏に、イギリス人の船乗りたちに実際に起こった出来事なのです。この事件の時には、17歳の雑用係の青年が、他の3人の犠牲になったのでした…。

ツこの事例は、この本の第2章冒頭に挙げられている事例です。ここで問われているのは、ベンサム流の功利主義が正しいかどうかです。

ツ1人を犠牲にして3人を助けるのは、あまりにも残酷だと思われるかもしれません。それなら、100人と1人だったらどうでしょう? あるいは1000人と1人、1万人と1人だったら?

ツさらに、人間と動物だったらどうでしょう? 動物の命を犠牲にして、人間の利益を増大させることは、正しいことなのでしょうか?

ツーーこういった根本的な問題を、サンデル教授の本を手がかりとして、自由活発に議論し合おう、という研究会です。10月3日(水)に、この本の第2章「功利主義」を題材に議論しました。参加者は全員で6名でしたが(1年生4名、3年生2名)、活発な意見がたくさん出されて、非常に盛り上がりました!

ツ次回は10月24日(水)に開催予定です。次回もきっと、白熱した研究会となることでしょう。非常に楽しみです!