職場体験付講座 第1回 「京都の老舗①」2/12の報告

伝統継承・文化創造コースの岩崎正弥です。こんにちは。皆様お元気でしょうか。風
はまだ寒いですが梅の花も咲いて、いよいよ春の訪れの近いことを告げていますね。
皆様との大学生活がはじまるのももうすぐですね。

今回は、去る2月12日(金)に、本学の就職課の主催により実施された「職場体験付
講座」第1回「京都の老舗①」について、これを企画し、引率をさせていただいた
コーディネーターとして、その様子を報告させていただきます。

これは、就職支援の一環として、伝統文化産業での就職を検討している、あるいは京
都文化に興味のある学生の皆様を、京都の代表的な老舗企業にご案内して、それぞれ
の企業のトップの方からお話を承るもの。
参加される学生のおひとりおひとりの文化的教養を高めるとともに、実社会の見聞を
広め、就職への機縁をつくり、各自の就業への意欲を高めることを通じて、就職活動
の支援となることを目指したものです。

私といたしましては、伊勢で学ぶ皇學館大学の学生の皆様に、より多く、より深く、
伊勢ともご縁の深い京都文化のほんまもんを、より多く、より深く、その実地にご案
内してご紹介申し上げたく。宮川泰夫学部長、新田 均教授からのご理解とご賛同を
いただき、関係各位のご協力をいただき、実現させていただきました次第。
急遽の告知に、運良く応募して、参加してくれた学生は、今回は学年・学部の枠を越
えて35名。全員にスーツの着用の条件を守り、当日の午前8時50分に集合。
引率役の私と新田均先生が乗り込んで、午前9時に伊勢学舎を大型バスで出発し、高
速道路を走りました。車中では私から「京都の文化と産業の学び方」と題した講義
と、ビデオ「京舞・井上流」を上映。途中の休憩を合わせて2時間半後には京都市内
に到着いたしました。

最初の訪問地は、京銘菓「株式会社 鶴屋吉信」(今出川堀川)でした。ここからは
名古屋から新幹線で駆けつけた宮川泰夫学部長も合流。
地下の講堂に招じられて、お忙しい中を代表取締役の稲田慎一郎さまにお出ましいた
だき、「京菓子とお店の歴史」についてご講義をいただき、ビデオ「京菓子のせか
い」を拝聴、菓子職人の方による練菓子の製作の実演を目の前でしていただきまし
た。
その後、営業部の皆様の心のこもったご案内により、見所の多い1階店舗から2階を
拝見。2階の和風の喫茶室では、数寄屋棟梁・故中村外二の手による茶室「游心」
と、つくばいのある茶庭の景色を眺めながら、一同美味しいお茶菓子とお抹茶を頂戴
いたし、ひとときゆったりとさせていただきました。

鶴屋吉信にて

鶴屋吉信にて

昼食は、創業300年の老舗蕎麦屋の「本家 尾張屋」(車屋町二条)の2階の数寄屋
座敷にて、それそれが注文した蕎麦料理で、腹ごしらえ。

二番目の訪問地は、神祇・仏式装束「株式会社 井筒」(花屋町堀川)でありまし
た。
代表の井筒與兵衛さまのご案内にて、店舗から私設美術館「風俗博物館」へ。源氏物
語に描かれている「六条院」の「春の御殿」の寝殿と東対が、四分の1の縮尺の模型
と人形で再現されている展示室では、王朝文化を間近に堪能させていただきました。
さらに與兵衛さまの興にまかせての御案内にて、神輿の数々、調度の数々、事務所、
倉庫、発送部、ペントハウスにある社長室など、隅々までたっぷりと拝見させていた
だき、一同驚きの連続でありました。

井筒にて

井筒にて

 三番目の訪問地は、京町家とじゅばんの美術館「紫織庵」を営まれている、和装業
の「株式会社 丸栄」(新町三条)へ。

大正十五年に、当時の最高の技術と材料と、たっぷりと時間をかけて建設した京町家
の書院座敷にて、代表取締役の川崎栄一郎さまより、京町家やお仕事についての御講
義をいただきました。その後、大きな蔵の中で、大正・明治初期のデザインを復元し
た着尺や羽織や帯などを、私共に手にとあせていただいてご説明をいただいたり、2
階のじゅばんの展示室や、洋間では昭和初期の蓄音機を実際に奏でていただいたり。
祇園祭の時に山鉾巡行を眺めるための屋上テラスや、1階の四畳茶室やフランク・ロ
イド・ライト風の応接室など。見所たくさんの上質な空間をたっぷりと味あわせてい
ただき、川崎さまからは、京都の旦那衆の文化の高さを学ばせていただきました。

紫織庵にて

紫織庵にて

 再びバスの人となり、無事に8時半過ぎに伊勢学舎に帰還し、解散をさせていただ
きました。

 参加学生のミニレポートによれば、それぞれとても感動し、「楽しかった!」
「びっくりした!」「また参加したい!」と、大満足の様子。京都の文化と産業を学
ぶ機会となり、また就職へむけての企業研究にも役立ったものと存じます。

 それぞれの訪問地にてご講義やご案内をいただきました皆様に、改めて感謝を申し
上げます。また、この企画の実施や広報にあたってご協力いただいた学内の皆様、学
外の、バスの運転手さま、旅行代理店の担当者さま、伊勢から先方への手土産を特別
に仕立てていただいた内宮前の「赤福」さま、外宮前の「関谷」さま、誠にありがと
うございました。

これまで私が主催してまいりました「伝統未来塾」の成果を、皇學館大学の教育へと
繋げさせていただければと企画いたしました今回のような取組を、今後も年に数回は
京都へ、さらには名古屋や大阪や東京などにも出かけて実施してゆきたいと、私は考
えております。
意欲ある学生の皆様の、将来の人生計画への情報提供と、働く意義を明確化する就職
力の増強、就職活動への支援に、この取組みが今後も貢献できますことを祈っており
ます。

 この春から現代日本社会学部に入学される皆様にも、このような取組にご興味のあ
る方々は、どうぞご期待をいただきますよう、どうぞ楽しみにいたしておいてくださ
い。